結論から言うと、わたしたちはホームインスペクションは実施しませんでした。
理由は、積水ハウスで標準で実施される検査と重複するものがあり、費用対効果が高く思えなかったからです。
この記事では、積水ハウスで標準で実施される検査や、想定されるリスクを洗い出し、影響や対応策について私たちが考えたことについてまとめてみました。
ホームインスペクションについて
第3者の立場から建物の劣化や欠損、施工不良などを診断するサービス、それがホームインスペクションです。
検査項目は、一般的には下記のとおりです。
- 基礎配筋検査
- 基礎完成検査
- 上棟検査
- 断熱検査
- 木造検査(内部造作完成検査)
各項目の細かい検査内容は、検索するといろいろな業者さんが公開していますので、興味のある方はぜひ検索してみてください。
実施のタイミング
実施できるタイミングはいろいろあります。
基礎工事の段階から複数回に分けて検査する場合もあれば、完成された家に対して1度だけ実施する場合もあるようです。
ただ、検査の回数が増えれば増えるほど、費用も高額になっていきます。
早い段階から検査に入ってもらい、複数回検査を実施してもらえば、新しくて良いL字ソファが買えてしまうくらいの金額になります。
逆に完成した家を1回だけ検査してもらう場合、費用は上記のだいたい5分の1程度になります。
検査内容
基礎工事の段階から検査を依頼した場合、例えば以下のような検査が実施されます。
①基礎配筋検査
家の土台に使う鉄筋が、正しい種類・位置・間隔で設置されているかを確認します。安全で強い基礎をつくるための準備段階の検査です。
②基礎完成検査
コンクリートを流して完成した土台が、設計通りの形・高さ・仕上がりになっているかをチェックします。ヒビやズレがないかも確認します。
③上棟検査
柱や壁などの骨組みが、まっすぐでしっかり固定されているかを確認します。家の構造が安全かどうかを見極める検査です。
④断熱検査
断熱材が正しく保管・施工されていて、すき間や欠けがないかをチェックします。快適な室内環境を保つための重要な検査です。
⑤木造検査(内部造作完成検査)
天井や壁に貼る石膏ボードが、きれいに正しく取り付けられているかを確認します。ドアなどの建具がまっすぐに設置されているかもチェックします。】
上記のうち、⑤の造作完了とは、大工工事が終わった時点のことで、検査では、クロスを貼る前の段階です。
これらの段階を経て、クロスや床材も貼られて内装工事もすべて完了した状態で実施される検査は、竣工検査と呼ばれ、たとえば以下のような検査が実施されます。
⑥竣工検査
・内装の仕上がり確認(クロスや床材に傷や汚れがないか)
・建具の動作確認(ドアや窓がスムーズに開閉するか)
・設備の動作確認(照明、コンセント、水道、トイレなどが正常に使えるか)
・外観や外構のチェック(外壁、玄関、庭などの仕上がり)
この検査は引き渡し前の最終チェックとして、とても重要です。
後で詳しく書きますが、積水ハウスの場合はこの竣工検査の一部を施主自身がチェックして、メーカー側に指摘できるタイミングが引渡し前にあります。
よくある施工ミス
正直に言うと、ホームインスペクションを実施して実際に施工ミスがみつかったという記事を目にするたびに心は揺らいでいました。
ただ、調べた情報を改めて冷静にみてみると、比較的大きな施工ミスが見つかった例の多くは、建売住宅や中古物件だったり、非工業化住宅だったりするケースが多いと感じました。
ネットの情報を全く新いる必要はないとまでは思いませんが、事実として、すぐに修正できる小さなミスもデータに反映されていることも念頭に置く必要があると感じました。
断熱の隙間や欠損
大手ハウスメーカーでも施工ミスが多い項目として、断熱施工があります。
どこのハウスメーカーかは不明ですが、本来入れるべきところに断熱材が入っていないというケースも実際にあったようです。
この施工ミスを予防するためには、やはり、現場に施主が実際に足を運び、断熱施工の様子を見たり、後から見返せるように写真や動画をとったりっさせてもらうことだと思います。
断熱材が取り付けられておらず奥の壁がむき出しになっているような箇所があれば、さすがに素人目でも簡単にわかりますし、そのとき現場監督の方にすぐ確認を依頼することもできます。
防水シートの破損
防水紙が破れていたり、隙間が開いていたりすると、雨漏りしやすくなります。水が木材に付着すれば、木が腐ってしまう危険性もあります。
これらの施工ミスを防ぐためには、検査がいつ行われるのかをハウスメーカー側に予め確認しておいたり、防水工事が完了した段階で一度見学させてもらったりと、施主側にもできることはあります。
また、断熱施工も同様ですが、報告書やチェックシートを見せてもらえるかは確認するとよいです。
私たちの場合は、検査ごとの結果(評価)はいただけませんでしたが、最後に報告書として受け取ることができることを確認しました。
安心材料に繋がったもの
冒頭にも書きましたが、わたしたちはホームインスペクションは実施しませんでした。
ホームインスペクションの実施を検討していた時に一番危惧していたことは、あとから目で見だだけではわからない部分に不具合が発生してしまうことでした。
ですが、これらの不安も積水ハウスのおかげで軽減させることができました。
積水ハウスが標準で実施する検査
積水ハウスが標準で実施する検査には、「社内検査」と「社外検査」があり、施工マニュアルに沿って正しく施工がされているかをチェックします。
標準で実施してくださる検査なので、もちろん追加の費用もかかりません。
検査のタイミングや項目は積水ハウスで決められており、実施回数はすべて合わせると十数回にもなります。
積水ハウスは工業化住宅になるので、そもそも使用する部材が一定の基準をクリアしていることから、検査回数を省略しても安全な家を建てることができるようになっています。
信頼できる現場監督の存在
着工する前は毎週のように打ち合わせがありましたが、着工してからはさすがに毎週現場を見学することはできませんでした。
ですが、現場監督の方が各工程ごとに写真をたくさん撮って送ってくださいました!(こちらからお願いしたわけでもなく!)
また、現場を見学している最中もさまざまな疑問がでてきたので、その都度現場監督の方にたくさん質問もしました。
心配だった配管検査に関しても、どういう方法で点検がなされて、水がちゃんと流れることをどのように確認しているのかを説明してくださいました。
断熱施工に関しても、わたしたちはスーペリア仕様を採用したので、標準の仕様に比べて部分的に2倍の施工期間を設けていることも教えてくださいました。
他にも、標準ではやらない施工ポイントがたくさんあり、それらを積極的に見学時に説明してくださいました。
次はいつごろ見学に来れば新たな工程がみられるかについても、その後の施工の流れを説明してくださり、それにあわせて次の見学日の日程を決めていました。
このように、積水ハウスが標準で実施している検査の内容についてくわしく知ったり、見学に際してオープンな姿勢で現場を隅々まで案内しながら施工の工夫点を実際に見て説明してもらったりしたことで、ホームインスペクションを実施しなくてもこの現場監督の方なら安心して任せられるとわたしたちは考えるようになりました。
まとめ:費用対効果を考えて判断する
ホームインスペクションを実施するかどうかについては、わたしたちも何度も悩みました。

最終的には、ホームインスペクションを実施しても、検査が重複する部分が多いと感じたので実施を見送りましたが、自分たちで少しでも多くの安心材料を集めたことも、見送る判断できた要因だったと思います。
もし今、ホームインスペクションの実施を悩んでいる方がいらっしゃったら、積水ハウスの標準の検査について担当の営業の方や現場監督の方に確認してみることを強くお勧めします!きっと判断材料になると思います。
ホームインスペクションの検査項目については、ネットで検索すれば簡単に知ることができます。それぞれの項目でどのような検査を実施しているのかを把握したうえで現場を見学しに行くと、現場監督の方へ質問する際も共通言語を持った状態で的確な質問がしやすくなります!
この記事が、ホームインスペクションを実施するかどうか迷っている方の判断材料の一つになれば嬉しいです。
ぜひお家づくりを楽しんでください。