家づくりを考え始めたとき、まず最初に接するのがハウスメーカーの営業担当者です。
間取りや性能、価格といった要素も重要ですが、実際に打ち合わせを進めていく中で強く感じたのは、「営業さんとの相性」が家づくりの楽しさや安心感に大きく影響するということでした。
今回の記事では、私たちが実際に接した「積水ハウス」・「一条工務店」・「ヘーベルハウス」の営業担当者の印象について、率直に感じたことをまとめています。
家づくりを検討中の方にとって、営業担当者との関係性がどれほど大切かを考えるきっかけになればと思います。
ここで述べる内容はあくまで個人的な体験に基づくものであり、すべての営業担当者が同じ対応をするとは限りません。
営業スタイルや雰囲気は人によって異なるため、一つの参考事例として読んでいただければ幸いです。
営業担当者は家づくりの鍵を握る
わたしたちが実際に家づくりを通して、「営業担当者は家づくりの鍵を握る」なと感じた理由をお話しします。
営業は家づくりの窓口
営業担当者は、契約前から引き渡しまで一貫して施主の窓口となる存在です。
間取りの相談、資金計画、スケジュール調整など、家づくりのあらゆる場面で最初に相談する相手になります。
資金計画で不安になったときも、相談の窓口になってくれたのは担当営業の方でした。
打合せが進むにつれて概算の金額が上がり、資金計画はちゃんとしていたものの、本当に返済していかれるのか不安になってしまったとき、FP(ファイナンシャルプランナー)との面談を設定してくださいました。
夫婦間だけでなく、第3者の立場から見ても現実的な資金計画であることを確認し、余裕のある返済の見通しを持てたことで、その後の打合せを安心して楽しく進めていくことができました。
不安を解消してくれる存在
家づくりには不安がつきもの。
そんなとき、営業さんが親身になって話を聞いてくれるかどうかで、施主の安心感は大きく変わります。
わたしたち(というかほぼわたし)は、設計打合せのときも不安や心配事がたくさんありました。
玄関の広さって本当にこれで大丈夫?圧迫感ないかな。
天井高上げたほうがいいかな?標準でも大丈夫かな?
間接照明って実際どんなもん?暗すぎないかな?
夫婦間では、ほぼいつもわたしが1人で勝手に不安になっていたことが多かったと思います。
そんなとき、担当の営業の方に、間取りに近い空間を実際に見ることはできないか相談したり、少し遅い時間に展示場にお邪魔させていただき、照明の雰囲気を見せてもらったりしました。
いつも「こんなことで相談していいのかな」と思いつつ、あとから聞いておけばよかったと後悔するのは嫌だとお思い連絡を取っていましたが、担当営業の方は、「大丈夫です。まだこのあと3回くらいは不安になることがあると思うので、その都度おっしゃってください!」と言ってくださり、本当に感謝の気持ちでいっぱいでした。
そうやってひとつずつ不安を解消しながら、設計打ち合わせは進んでいきました。
本音で相談できる頼れる営業さんがいるだけで、家づくりが前向きに進められるのだなということを実感しました。
家づくりの楽しさを左右する
実際、私たちが積水ハウスを選んだ理由のひとつは、「この営業さんとなら楽しく家づくりができそう」と思えたからでした。
家づくりは長期戦です。
わたしたちの場合は、設計打ち合わせだけでも、契約前の期間を含めてトータル半年ほどかかっていました。引き渡しまでは約1年2か月のお付き合いです。
営業さんとの関係性が良好でなければ、毎週のようにあった打ち合わせも、きっと楽しめていなかったと思います。
『積水ハウス』の営業スタイル
ここで述べる内容はあくまで個人的な体験に基づくものであり、すべての営業担当者が同じ対応をするとは限りません。
営業スタイルや雰囲気は人によって異なるため、一つの参考事例として読んでいただければ幸いです。
営業担当者の個性が際立つ
積水ハウスの営業さんは、どの方もそれぞれに個性があり、得意分野を活かして対応している印象がありました。
また、若手でも1人で任されているようで、責任感と自立性が感じられました。
打ち合わせで訪れた支店で、いろんな営業の方を見かけましたが、ある方は、個性的なスーツと髪型でビシッと決めてお仕事をされていて、表情も生き生きとされていたのが印象的でした。
一方で私たちを担当してくださった営業の方は、若いのにとても落ち着いていて、真面目で誠実な対応が服装にも表れているような印象がありました。
仕事を楽しんでチームと協力している
服装の話になってしまいましたが、服装は内面を表すとも言われます。
いろんな営業の方がそれぞれの個性や強みを生かして仕事をしつつ、チームメンバーひとりひとりとの仲も良く、協力関係もちゃんと築けているからこそ、どこかアットホームな安心感がありつつメリハリも感じられる雰囲気が感じられるのかなと思います。
社内で決められたことを、ただ上から言われるがままに受けて仕事をしていたら、あの雰囲気はできあがらないような気がします。(個人的な印象ですが)
何より、営業さん自身が家づくりに携われる仕事を楽しんでいるように見えました。
おかげで、家づくりに対するワクワク感を共有しながら、長い期間の打ち合わせも前向きに楽しく進めることができました。
『一条工務店』の営業スタイル
ここで述べる内容はあくまで個人的な体験に基づくものであり、すべての営業担当者が同じ対応をするとは限りません。
営業スタイルや雰囲気は人によって異なるため、一つの参考事例として読んでいただければ幸いです。
若手は上司とのペア対応
一条工務店では、営業2年目の若手の方がメインで対応してくださり、上司はサポート役という形でいつも同席されていました。
若手の方はとても一生懸命で、誠実さや真面目さは感じられたのですが、住まいの体験館を見学した際、家の仕様について同じ説明を繰り返し話されていたり、こちらの質問に対して的確な返答がかえってこないこともありました。
ただ、こちらの疑問や希望に集中して耳を傾けてくださっている真面目さや熱意は伝わってきたので、宿泊体験を断る際は心が痛みました。
宿泊体験を強烈に推す
印象的だったのは、「宿泊体験」の強い推しです。
すでに積水ハウスに気持ちが傾いていたため、宿泊体験はっきり断ったのですが、「宿泊体験だけでも」と何度も強くすすめられました。
もう他社で考えていることを伝えても、あまりに押しが強かったのを見て、「もしかしてどれだけ宿泊体験を獲得できたかが営業成績に関わるのか?」と考えてしまうほどでした。
熱心さは伝わるものの、施主の気持ちよりも社内の目標が優先されているような印象もあり、少し営業の方とは距離を感じてしまいました。
『ヘーベルハウス』の営業スタイル
ここで述べる内容はあくまで個人的な体験に基づくものであり、すべての営業担当者が同じ対応をするとは限りません。
営業スタイルや雰囲気は人によって異なるため、一つの参考事例として読んでいただければ幸いです。
落ち着いたベテラン営業
ヘーベルハウスでは、ベテランの営業さんが担当してくれました。
初対面では安心感があり、経験豊富な対応に信頼を感じました。説明も丁寧で、こちらの質問にも的確に答えてくれました。
積水ハウスに気持ちが傾いていた頃、ヘーベルハウスの営業の方が「1つのハウスメーカーに決めたほうが、お互い気持ちよく打ち合わせを進められる」というようなことを言われたことが、個人的にはプレッシャーに感じられましたが、そのように考える営業者の気持ちはとてもよくわかります。
気持ちがほぼ積水ハウスに傾いてからは、「去る者追わず」という感じで、終始あっさりとした印象がありました。
社内教育の賜物?
ある営業の方から実際に聞いた話によると、ヘーベルハウスの営業さんは、良くも悪くも「みんな同じことを言う」のだそうです。
社内教育がしっかりしているという風にも考えられますが、一方で、施主にとことん寄り添って個別の事情に柔軟に対応するような印象はあまり感じられませんでした。
ハウスメーカー選びに迷ったら?
わたしたちがハウスメーカー選びに迷ったときに実際に判断材料にした考えをまとめてみました。
もし今、メーカーをまだ決め切れていない方がいたら、下記の3つの項目をもとに検討してみる方法もありますよ。
まずは家づくりの方向性を確認
性能重視なのか、デザイン重視なのか、自由設計なのか……ハウスメーカーには、得意とする家づくりの方向性がそれぞれあります。
わたしたちはまず、整理した自分たちの理想の暮らしが、ハウスメーカーの得意とする家づくりに合っているかを確認しました。
家づくりの軸を決めて、さらに理想の暮らしをリストアップして、それらに優先順位をつけたら、どのハウスメーカーが適しているかは、おのずと決まっていきました。
営業の方との相性
「この人と楽しく家づくりを進めていけそうか」「引き渡し後も関係を続けていきたいと思えるか」など、直感的なフィーリングも大切だと思います。
設計打ち合わせが始まると、たくさんの疑問点や不安もでてきます。そのとき、一番初めに頼るのが担当営業の方です。
原則、途中で担当者の変更はできず、家の引き渡しまで1年近く同じ方と付き合っていかなければなりません。
疑問に対して、迅速なレスポンスがあるか。
こちらの質問を表面的でなく、その意図まで気にかけてくれるか。
不安にただ耳を傾けるだけでなく、解消の糸口を提案してくれるか。
これらの点は、今後の打ち合わせを楽しく進められるかどうかに直結してくる最低限の部分だと思うので、要チェックです。
重要:施主側の努力も必須
ハウスメーカー側のことばかり書きましたが、施主側にも気を付けるべきことがあります。
たとえば、ハウスメーカーが得意としていることや苦手としていることを明確に把握しておくことです。鉄骨住宅を建てようとしているのに、気密は木造住宅並みを求めたら、求められた側は困ってしまうことは容易に想像できます。
ほかにも、求められた宿題(提出すべき書類、検討事項、家づくりの軸決めなど)は、確実に期日までに済ませておく努力も必要です。
期日までに提出できなかったら、打ち合わせが停滞するだけでなく、場合によっては業者の方や他のチームメンバーの方とのスケジュールを再度調整しなくてはいけなくなり、大きな迷惑をかけてしまいます。
まとめ:家づくりの本質は「暮らしをかたちにすること」
わたしは、家づくりの本質は「暮らしをかたちにすること」だと思っています。
断熱性や耐震性、間取りの工夫ももちろん重要ですが、それ以上に「自分たちの価値観に合った空間」をつくることが本質だと思います。
たとえば、朝日が差し込むダイニングで家族と朝食を囲むことが幸せなら、それを叶える設計が“良い家”。つまり、正解は人それぞれなんです。
そして忘れてはならないのが、家づくりは「人との協働」であるということ。
設計士、営業担当、施工スタッフ……多くの人と関わりながら進めるからこそ、信頼関係が築けるかどうかが、満足度に直結します。
営業さんとの相性が家づくりの楽しさを左右するというのは、まさにその一例です。
積水ハウス、一条工務店、ヘーベルハウスは、それぞれに営業スタイルの違いがあり、どこが良くてどこが悪いという風に一概に言うことはできません。
感じ方は人それぞれなので、自分に合う営業スタイルは心地よく感じるのだと思います。自分たちにとってベストな選択が、正解です。
だからこそ、「どんな暮らしをしたいか」「誰と、どんな時間を過ごしたいか」などの軸を考えることが、本質に近づく第一歩だと思います。
施主としてできる努力もしっかりこなしつつ、素敵な家づくりのパートナーと巡り会えた時は、そのチャンスを逃さないようにしてほしいなと思います。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!