積水ハウスのスーペリア仕様は、高断熱・高気密を実現する上位グレードの住宅設計です。室内の快適性やエネルギー効率の高さが魅力の一方で、施主が見落としがちな設計上の制限も存在します。
この記事では、スーペリア仕様を検討している方に向けて、スーペリア仕様の盲点ともいえる設計段階での注意点についてご紹介します。
実際に私たちが直面した課題をもとにまとめたので、積水ハウスでスーペリアを検討している方はぜひ最後まで読んでみてくださいね。
なぜスーペリア仕様で「お風呂の配置」が課題になるのか?

家の外周面に配置できない
スーペリア仕様では、建物全体の気密性能を保つために、ユニットバスを外周面に接して設置することができません。
厳密にいうと、外周から最低でも1m以上離す必要があるのです。
これは、浴室周辺の断熱層や構造材との関係で、気密性を破らないための措置です。
浴室を建物の端に寄せることができないため、ほかの部屋の配置自由度も低くなることから、理想のレイアウトとのギャップに悩まされる可能性があります。
お風呂に窓をつけたい人は要注意
さらに問題になるのが、「お風呂に窓をつけたい」というニーズです。
窓のあるバスルームは開放感があり、自然光や外の景色を楽しめるため人気ですが、スーペリア仕様では外周にバスルームが寄せられないため、窓を設けることが非常に難しいのです。
湯船につかりながら窓を開けて外の風を感じたいという要望がある方にとっては、大きな制約となります。
高性能な断熱と快適性を取るか、浴室での理想の過ごし方を取るか——選択を迫られる場面かもしれません。
2階配置の落とし穴!バスルームはどこに置ける?

居室の上にしか配置できない
2階にお風呂を配置する場合、もう一つ注意しなければならないことがあります。それは、下の階に居室や収納など“部屋”がある場所の上にしか設置できないということです。
つまり、階段の真上や玄関ポーチの真上には、構造上や防水面の理由から、浴室を置くことができないのです。
この制約により、ただでさえ配置制限のある浴室が、2階だとさらに限られたスペースの中で配置を考えなくてはならなくなるため、間取り作成の難易度が一気に上がります。
1階の天井に点検口?!
水回りを2階に配置した場合、導入するお風呂のメーカーによっては1階の天井に点検口が出てきてしまうケースがあるので注意が必要です。
例えば、1階リビングの真上にお風呂を配置した場合、リビングの天井にポツンと点検口ができてしまう可能性があります。
いずまる見栄えをそれほど気にしない方であれば問題はないかもしれませんが、できれば天井面はすっきりときれいに見せたいですよね。
私たちの場合はPanasonicの「オフローラ」を導入しましたが、担当の営業の方に確認してもらったところ、最近は天井に点検口をつけなくても横につけられるものもあるということが分かり、1階天井に点検口ができてしまうことは防げました。(以前は、オフローラでも天井に点検口が必要だったようです……。)
導入予定のお風呂のメーカーが1階に点検口を作る必要がある仕様かどうか、事前に担当の営業の方に確認しておくことをおすすめします。
選択肢としての「1階配置」
こうした制限を避けるために、1階にバスルームを配置するという選択肢もあります。
1階であっても外周面に浴室を配置できなことは同じですが、2階よりは制限が少し減るため、その他の部屋の間取り計画がしやすくなる場合があります。
ただし、1階に浴室を設ける場合は、洗濯周りの家事動線に影響が出る可能性があります。洗濯は1階だけど、干すのは2階の場合、毎日洗濯物を干すたびに階段の上り下りをする必要が出てきます。
自分にとって何が最も優先したことかを整理したうえで、ライフスタイル全体を踏まえた検討が求められます。
後悔しないためにおさえておくべきポイント2つ


スーペリア仕様のメリット・デメリットを総合判断
スーペリア仕様は確かに魅力的な仕様ですが、その気密性や断熱性能を支える仕組みゆえに、間取りにおける自由度が制限されてしまう点は見逃せません。
「お風呂の窓が絶対に欲しい」
「水回りは2階に配置したい」
上記のようなニーズがある方にとっては、別の仕様を選んだ方が生活の満足度が上がる可能性もあります。
スーペリア仕様以外の断熱仕様については、下の記事で簡単にまとめています。


設計士との早期相談
何より重要なのは、家づくりの初期段階で設計士と詳細に話し合うことだと思います。
「どこにどんな空間を配置したいのか」
「どんな暮らし方をしたいのか」
優先順位を明確にして、それに合わせて最適な仕様や間取りを検討していくことが大切です。
ちなみに、スーペリア仕様による設計に関する制限は、間取り以外にもいくつかあります。
気になる方は他の記事も是非チェックしてみてください。


あとから、「こんなはずじゃなかった」と後悔することがないように、ご自身の設計プランに影響してくる制限について、必ず担当の設計士の方に確認しておくことをおすすめします。
まとめ:優先順位を整理して、水回りの配置を検討する。
この記事では、スーペリア仕様を採用する場合の設計上の制限のうち、とくに「お風呂の配置」に関して直面する可能性のある問題について解説しました。
【浴室の配置を計画する際の注意点】
・浴室は外周面に配置できない。
・浴室は外周面から最低1m離す必要がある。
・2階に浴室を配置する場合、1階が居室でないと配置できない。
・2階浴室は、階段の上や1階玄関ポーチの上には配置できない。
・メーカーによっては浴室の真下の天井に点検口を設ける必要がある。
スーペリア仕様を検討している方は、普段の入浴スタイルや入浴へのこだわりを是非一度振り返ってみてください。
この辺りは設計士との細かな打ち合わせを重ねる必要があり、私たちもかなり労力を要した部分でしたが、後から変更できない部分なのでなんとなくで決めずにしっかり考えて良かったと思っています。
後から後悔しないためのチェックポイントとして、最低限下記の項目は押さえておくといいと思います!
- 理想の間取りはスーペリア仕様と両立できるか、設計士に確認する。
- どうしてスーペリア仕様を採用したいのか、深堀りする。
- 選択導線も含めて、水回りの位置を検討する。
この記事が、スーペリア仕様を検討している方の少しでも参考になれば嬉しいです!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。




